「怒る」の意味を辞書で調べると、「我慢できなくて、不快な気持ちが言動に現れた状態になる。」
「叱る」は、相手の仕方を、良くないといって強く注意する。(新明解国語辞典より)
「怒る」・・・腹を立てる、興奮して気が荒くなる。叱る。
「叱る」・・・良くない点をとがめる、いましめる。 (現代国語例解辞典より)
辞典によっては、怒るの中に叱るの意味も入っていますが、教育・子育てをする時にはこの「怒る」と「叱る」は別物です。
ちょっと思い出してみてください。
そして、
お子さまを怒っているときの自分の状態・立場を冷静に、少し離れた立場から俯瞰してみてください。
親自身がどうしてもこういう風にさせたいと相手をコントロールする形になっていませんか?
親自身が疲れていて、イライラしていませんか?
親自身が、この後予定があり、時間的に焦っていませんか?
親自身が上手く言葉で説明できないので、つい威嚇、怒りという形で片づけてしまっていませんか?
旦那さんがイライラするから、奥さんが怒りだすから、同居の家族に何か言われるから・・・とお子様自身の問題から離れたところで怒っていませんか?
・・・・etc.
怒りは、怒る側に何らかの感情が隠れている場合が多いです。実は「黙る、無視すること」も怒りの種の一つとも言えます。これはまた別の機会に書きます。
いかりの感情は、いったん出てしまうと、その感情に飲み込まれてしまい、冷静に物事を判断する能力も失ってきます。怒らなくていいことも、かえって怒ってしまうという悪循環にもなります。(もちろん、冷静になった後に、怒った側もそのようなことに気づくので後味がわるくなります。)
子どもは、そのような親の感情を無意識にキャッチします。この怒り方が続くと、不信感を抱いたり、そのような親の姿にショックを感じます。
そのような出来事が繰り返されると、どうして怒られるのか子供自身考える余裕もなくなります。それよりもその場をなんとか乗り切るために自分自身で生きやすいように反応を作っていきます。無気力や、だまって親から怒られないように、機嫌を損ねないように、親に喜ばれるように・・・親の言うとおりに動くうちに自主性が育ちにくくなってしまったり、「自分が好きなこと・やりたいこと・自分の気持ち」よりも「怒られるからやる」と恐れとつながった気持ちで行動するようになり、自分の気持ちがわからなくなるだけでなく、これがまた別の恐れの問題へと派生した出来事を生んでいきます。また、だんだん子供のなかで親に対するねじれた信念が生じ、価値へと変わり、成長する過程で親子関係の問題などに発展していくこともあり得ます。
また、「やらないと怒られる」という感情が強くなり、反面、「怒られないとやらない」心理状態もも出てきます。
叱るということは、相手のことを考えて時には語気も強くなることはあるかもしれませんがアドバイスや注意、などを感情をぶつけることなく冷静に伝えることです。叱る側も感情に飲み込まれることはありませんし、逆に心に余裕があります。
子どもも、しかられた理由がわかればどうすればいいかを自分でも考えるようになります。
子供は小さくても、ゆっくり言葉を丁寧に伝えてください。子どもには子供の言い分もありますので耳を傾ける私たち親の態度も必要ですし、人を傷つけたり命に関わることをしたというときにはしっかり子供と向き合って落ち着いて対処していく話していく叱ることも必要です。
必要な時は怒るではなく叱ることです。