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  • miwako

子供は親の所有物ではありません。

子供が誕生した時、親は純粋に自分たちのもとへ生まれてきてくれたことに感謝と喜びを感じ、無条件に愛情を持ったと思います。


この子はどんな子になるのかしら?こんな子に育ってほしいなと興味関心や期待感を持ちながら、子供の幸せを願って子育ても臨んだのではないでしょうか。


親になったからといってもまだまだ未熟な部分は多く、子育てを通して親は鍛われ学ばされていく側面があります。


ですから、親がこれが子供の幸せだと信じて一生懸命にやっていると思っていても実は親自身の心の寂しさ、不安、恐怖、心配からきていることも少なくなく、知らず知らずに苦痛を与えてしまっていることもあります。


また、自分が生んだのよと、

自分の子供=自分の分身、一部=自分のもの・・


などど

ゆがんだ解釈で「我が子=自分(親)の物」という考えを持ってしまう人もいます。


自分の分身だから子供のことは親の私が一番はわかっている、自分の好きなように扱っても良いという勘違いや強い思い込みで子供の本当の気持ちを分かろうとすることを忘れてしまい親の願望や期待、親がかなえられなかった夢の実現、親のストレスのはけ口の対象として子供を扱ってしまうこともあります。


ですが、


子供は母親の所有物でもなければ、父親の所有物でもありません。



自分が生んだ我が子でも、親と違った個性を持ちそれぞれ独立した人格を持った一人の人間です。一人の人間として自分らしく生きる権利をもっています。


赤ちゃんの頃からすでに個性は見られます。幼い子供でも親とは違う人格を持った人間です。


親は子供を守って育てる責任はありますが、まだ幼いからといって子供の人格を無視して親の言うことにすべて従えと一方的に押さえつけることはできません。



子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められた条約、「子供の権利に関する条約」があります。これは1989年(平成元年)に国連総会で採択され、日本でも1994年(平成6年)に批准(ひじゅん:この国際的ルールを認めました)しています。


児童(18歳未満のすべての人)の人権の尊重と子どもたちが幸せに生活できることを目的として、54条から構成されています。この条約全体では、以下4つの子どもの権利を守ることが述べられています。



🌼生きる権利

➙防げる病気などで命を奪われないこと。病気やケガをしたら治療を受けられること。


🌼育つ権利

➙教育を受け、休んだり遊んだりできること。考えや信じることの自由が守られ、自分らしく育つことができること。


🌼守られる権利

➙あらゆる種類の虐待や搾取などから守られること。障がいのある子どもや少数民族の子どもなどは特別に守られること。


🌼参加する権利

➙自由に意見を表したり、集まってグループを作ったり自由な活動を行ったりできることなど。


まだつい最近の事です。


長い歴史の中で子供を所有物として考えられてきた時代もあります。ですが、そんな時代は終わりました。


子供に対する親の所有物意識をやめ子供の人格、意思、感情など尊重しながら育てていくことが、子供一人ひとりがそれぞれに持ち備えている力やその子らしさを十分に発揮する機会を増やすことにもつながります。自信もついてきます。


そのためには、

親が子供に対する所有物意識をやめることです。



昨今ニュースで見聞きする子供への虐待や暴力、親から命を奪われてしまうような背景も親の子供への所有物意識が隠れています。


これ以上子供が犠牲にならないためにも、今一度子供への接し方を振り返ってほしいです。

虐待や暴言暴力のような攻撃的なものだけでなく一見穏やかな子育てに見えて過保護・過干渉で、子供が自由に考え表現し選択・行動する機会を奪ってしまうことも親による子への所有物意識が根底にあります。


攻撃的なものも過保護・過干渉も子供の自立を妨げていくことにおいては同じものです。


予想も出来ず多種多様で変化も激しい世の中でこれから生きていくための力を養っていくはずが、親の所有物として親のための人生を生きるように育てていくことで子供自身が体験を通して鍛われながら自分を見つけていく機会もないまま親軸、そして他人軸で生きることを身につけてしまいます。


他人軸で生きることは自分が見えないので周囲の影響を強くうけやすく社会の荒波に出て問題にぶつかった時、自分で乗り越え立て直していくことが難しく、問題を周囲のせいにしたり、常に親頼み、周囲頼みになってしまいがちです。


子供も親になり無意識に親と同じやり方で子育てを繰り返し負の連鎖が引き継がれていく可能性もあります。


所有物化による問題は親子関係だけでなく男女、恋人、友人同士、夫婦、家族、会社、女性と婚家問題・・・様々な人間関係であらわれます。


そんな負の連鎖を止めていくためにできることは、子供が小さい内から子供が所有物でないことを親が意識して子育てしていくことです。するとその姿を必ず子供が見ています。



所有物化意識が強いと以下のような不適切な形があらわれます。

いくつか挙げます。


●コントロール・支配

●無視・認めない・否定ばかり

   ➙子供のプライバシー

   ➙子供の気持ち

   ➙子供の意見や考え

●子供に対して異常に嫉妬心が強い

●子供の幸せを心から喜べない

●親の価値観を押し付け

   ➙子供に自分を自己投影

●親の思うとおりにならないと脅し・ののしり・暴言・暴力

●親自身の都合や感情で指図

過干渉(不必要な詮索・介入なども)

●過保護

●与えず

●決めつけ

●親の身代わりにさせる

●罪悪感を子供へ植え付ける


・・・いろんなことをやってしまいます。


子供がおかしいと反論しても

・「親の言うことは黙って聞け」

・「親に口答えはするな」

・「反論せず黙って聞くのが子供というものだ」

・「お前はまだ子供だから何もわからないんだ」

・・・

と、子供に一切反論の場を作らないこともあります。


反論したくても恐怖で言えない、親も言いなさいと言いながら言えないような雰囲気を醸し出しているときもあります。


親自身がその場からいなくなって自室にこもるなど子供と向き合う機会を無視する場合もあります。


そんな時点で、子供は親からの拒絶感や自分自身の無力感を味わいます。



厄介なことに、これらを


「しつけ」

「あなたのためよ」

「子どものことを思って」

「親としての責任」

「あなたが心配なの」

「将来のあなたのために」


・・・様々な表現を変えて自分の行動を正当化し子供を所有物化や虐待している自覚がありません。


他にも

「学費は誰が出していると思ているんだ」

「誰が食べさせていると思っているんだ」

「○○するなら(しないなら)仕送りはやめる、△△はやめる」

「○○に行くなら金を出してやる」

など、


●子供にはどうすることもできないお金のことを出してきて、子供の自由や意見や思いを抑えながら断念させ親の意向に向かわせようとすることもあります。


●本来なら親は子供の生きるための権利でもある衣食住までも与えないこともあります。


ついつい子育て中に言ってしまったこともあるかもしれませんが、

・「親のいう事を聞かないと今日のおやつはなしよ!」

・「そんなわがまま言うなら今月のお小遣いはなし!」

・「言うとおりにしないと○○しないから!」

・・・とういう言葉。


こんな中にも問題は隠れています。


子供が言うことを聞かないというのであれば何か理由があるはずです。


それに親のいう事をきくきかないと(一例の)おやつや小遣いなどは関連はなく別問題です。おやつやお小遣いなどの親の発言によるこの矛盾さは子供の方がすぐに気づくことが多いです。


親は親の言うことを聞かないという感情的な思いとそこをごっちゃにしてしまいがちなので、そんな時は自分の発言をもう一度冷静に振り返ってみてください。


なぜ親のいう事を聞きたくないのか聞けないのか理由を聞くことをしなかったり、ゆっくり向かい合って話を聞くこともせずに「いう事を聞かないと・・・」と親が力でことを解決するのも親の都合によるコントロールです。


子供にとっては脅威になります。


親が子供を所有物化して自分の感情や都合でコントロールしようとして(無意識にでも)やっている言動を子供たちは敏感に感じ取ります。


「あれ?」と違和感を感じます。


素直に言葉にします。


「え?それって変!」

「どうして信じてくれないの?」

「そんなことまでしなくていいよ、いわなくていいよ」

「そんなのおかしいよ?」

「そんなの勝手だよ」

「話が違うよ」

「この間はいいって言ったのに・・・」

「言う事がいつもかわる」

・・・・・。


そうやって子供が一言発しているうちがチャンスです。


もう親に言っても無駄だと思いあきらめ始めたら、恐怖心が強くなったら言わなくなります。


子供が発した一言で、「口答えするな」「言うとおりにしろ」「親のいう事が聞けないのか」・・・と一方的に声を荒げてしまう手を出してしまう自分がいたらも一度自分自身を見つめ直してみてください。



さいごに、


<素直になる>

❤親も自分の気持ちに素直になる

❤子供に対して所有物化・コントロールしてしまう自分に気づいたら、そこから自分の子供時代の甘えたかった自分、もっとわたしを見てほしかった自分、もっと優しくしてほしかった自分、あんなこと言われて嫌だった・・・など子供時代から取り残されたままの気持ちを素直に認めてみる。

❤親も人間です。間違っていると気づいたら、素直に子供にあやまる。


<孤立しない>

❤子育てで孤立しない環境を作ること

❤気づいた素直な気持ちや子供の頃から残っている葛藤部分など、信頼できる人に話してみる。話すと楽になります。

❤ストレスを発散できる機会を作る。


<自分の世界を持つ>

❤親自身も自分の世界を持つ。

❤生きる目的を子育てや子供だけにせずに、自分の時間をもつ。

❤幸せな満たされた気持ちや感覚をもつ・・・楽しかった、美味しかった、嬉しかった、ありがとう・・など自分で自分に語り掛ける。

❤親自身が信頼していこうとする姿勢をもつ。

自分を客観的に見る目をもつ。


他にも

❤夫婦の関係を円満円滑にする

・・・

子供を所有物化する意識が不思議なくらいなくなっていきます。

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#子供 #所有物 #所有物意識 #子供の権利 #子供の所有物化 #支配・コントロール #虐待

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